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そば好きノ日々

お蕎麦にどっぷりとはまったきっかけは“L’Arc〜en〜Ciel”への愛!?異才の経歴をもつ蕎麦ミュージシャン


ゆさそば ゆささん

“蕎麦”に携わる人々の想いを紡いでいく、【そば色ノ日々】。今回は、音楽と蕎麦打ちを融合したパフォーマンスが大いに注目されている、ゆさそばのゆささんのお蕎麦への想いを紡いで行きたいと思います。

プロフィール
<ゆささんの略歴>
埼玉県生まれ。小学校5年生のころからバイオリンを始め、武蔵野音楽大学、アイドル活動を経て、現在は音楽と蕎麦を融合したパフォーマンスを通じて、お蕎麦の魅力を広めるべく活動中。

──ゆささん、本日はお忙し日中にも関わらず、インタビューのお時間をいただきましてありがとうございます。以前よりゆささんの活動はフォローさせていただいていまして、今回こうして対談させていただけることとても嬉しく思っています。

いえいえ、こちらこそこうしてインタビューの場を設けていただけて、とてもうれしく思っています。ありがとうございます!

──では早速なのですが、ゆささんがお蕎麦にはまっていくに至った経緯についてお話をお伺いさせていただきたいのですが、ゆささんは元々ずっとお蕎麦が大好きだったのでしょうか?

いえ、実は私、お蕎麦はずっと苦手な食べ物だったんです。。。

長野県の佐久市に、私の祖父が建てたセカンドハウスがありまして、幼いころから良く遊びに行っていたのですが、遊びに行くと、毎回家族でお蕎麦屋さんに食事に行っていたんですね。みんなは信州のお蕎麦を、おいしいおいしいと楽しんでいる横で、私はうどんを食べるくらい、お蕎麦が苦手だったんです。 食事で好き嫌いは一切ないのですが、お蕎麦だけ、どうしても苦手だったんです。特に、蕎麦の香りが。

──そうなのですか。お蕎麦が苦手だったとは、少し意外でした。そこから一気にお蕎麦にハマっていくことになると思うのですが、そのきっかけとなった出来事はありますか?

はい、少し話が長くなってしまうのですが、実は私、L’Arc〜en〜Cielのhydeさんの大ファンなんですね。小学校4年生の頃に、初めて曲を聞いて以来、音楽はもちろん、生き方や、自分のやりたいことを貫いている姿に本当に憧れています。

当時の私は、どうにかしてhydeさんに近づいていきたいという想いが溢れまして、考えた末に、バイオリンを小学校5年生の頃から始めました。

──バンドとかではなく、弦楽器なのは意外ですね。

当時見ていたライブ映像で、バンドの後ろにオーケストラがいて、その中で弾いているバイオリン奏者さんを見て、これだ!と思い、バイオリンを始めることにしました。 そしてその後、武蔵野音楽大学を卒業し、バイオリン講師のお仕事をメインでさせていただいていたのですが、とあるときに、弦楽器を弾く女性でアイドルグループを作ろうというプロジェクトに声をかけていただき、メンバーとして活動していた時期もありました。

──アイドル活動ですか!?

はい、残念ながらグループは解散してしまったのですが、当時はメジャーデビューを目指していたグループで、音楽業界に入れば、hydeさんに近づいていけると思い、かなり本気で頑張っていました。

実はファンの間ではとても有名なのですが、hydeさんはかなりのお蕎麦好きなんですね。

グループの解散もあり、これからどう生きていこうか悩んでいた私は、お蕎麦でリベンジをしよう、私もお蕎麦を大好きになろう、苦手なことを克服することを次の挑戦にしようとその時にふと思い立ったんですね。

そこから、お蕎麦と向き合う日々になりました。

まずはなによりも、お蕎麦嫌いの克服が必要なのですが、スーパーで乾麺を大量に買いまして、ダイエットも兼ねて、毎日おそばを食べる生活を1か月ほど過ごしました。

元々、お蕎麦のにおいが本当にだめで、においで気持ちが悪くなってしまうことも多かったのですが、この一か月の修行で克服できました。笑

乾麺が克服できたのだから、次はお店でも食べてみようということになり、富士そばさんに始めて行ってみたんです。初めてお邪魔したときに、カップ麺にもなっていた紅ショウガ天そばを始めて食べて、その美味しさに、あまりにも感動を覚えてしまったのが、私の初蕎麦感動エピソードになります。笑

その感動をなんとか広く知ってもらえる方法がないものかと思い、バイオリンを持ちながら、富士そばを食べに行く様子をSNSに上げてみました。そうしたら、アイドル時代のファンの皆さんが、”お蕎麦”に多くの反応があり、プチバズが生まれました。応援してくださっていた方達は、音楽も好きだけど、お蕎麦も好きということが繋がり、そこから【音楽 × 蕎麦】という今まで世の中にはない新しいジャンルの着想を得て、今に至っています。

当時、富士そばの紅ショウガ天蕎麦をテーマにした恋愛ソングもYoutubeにありますので、良かったら聞いてみてください。

【そばにいて/ゆさそば】

──今まで多くの蕎麦な人々をインタビューさせていただいてきましたが、お蕎麦との出会い、そしてハマっていくきっかけが、異色すぎて、話を聞いていてとても楽しかったです。その後、【音楽 ×蕎麦】の活動が広まっていっていると思いますが、活動の内容を教えていただけますでしょうか?

先ほどの『そばにいて』を作曲してから、折角だからライブで披露をしたくなり、ライブのセットを組めるだけの曲を増やしていきました。 『SOBA⭐︎Rap』を作ってみたり、『S.O.B.A』というY.M.C.Aをオマージュした曲をつくったり。曲数をどんどん増やして、ライブができるようにして、全国各地でライブするようになっていきました。

元々ゆさそばは4人メンバーで始めました。トランペット、トロンボーン、キーボードと私の4人でやっていました、最初はニコニコ超会議のステージで演奏をさせていただいたり、基本は東京中心ではありましたが、時には山梨や長野のお蕎麦に縁のあるイベントにご招待いただいたりしていました。
2022年からは、コロナ禍で大変な思いをしているお蕎麦屋さんの役に立ちたい!と思い、全国のお蕎麦屋さんで、演奏をさせていただけるお店を募って、ギャラの条件は”お蕎麦”を食べさせて下さい!という全国ツアーにも出ました。

──とてもお蕎麦屋さんにとっても励みになるような活動で素敵だと思います。全国を回っている中で、印象に残っているお蕎麦屋さんやエピソードがあれば教えて頂けますでしょうか。

そうですね、一つは兵庫の山奥にある龍玄庵さんですね。コロナ禍にオープンしたお店で、二周年のタイミングで、雪の中、車で埼玉から向かって演奏させていただきました。特に印象に残っているのは、紅白蕎麦です。ビーツで色付けされているようで、本当に超綺麗で感動を覚えました。お蕎麦についてくる、天むすもとても美味しかったです。

──紅白そばは珍しいですね!私も今度ぜひ楽しみに行ってみたくなりました。他にも印象深いエピソードはありますか?

福岡のコチソバさんでも演奏させていただきました。地元の方々が呑みに来る、地元に愛されたお店なのですが、私の演奏に泣いて喜んで下さる方もいたりと、本当に印象に残っているライブの一つですね。

──そうして全国各地で蕎麦×音楽のライブをされているゆささんですが、蕎麦打ちはどのように学ばれていったのでしょうか?

蕎麦打ちに目覚め始めたのは、今までは、そばに関する歌を歌っていただけなのですが、せっかくなのでと、蕎麦打ちのパフォーマンスもライブでしたいとふと思ったのがきっかけですね。ゆさそば祭りというライブハウスでのイベントを企てていたのですが、そこの一部で蕎麦打ち、そして二部では演奏という構成にしました。

さいたま蕎麦打ち倶楽部に週に二回ほど通い、全麺協の初段を取り、その一年後には二段をいただきました。

実は私普段は全然料理をしないのですが、蕎麦打ちを通じて、人間としても成長できたなと感じているんです。

お蕎麦ってゆっくり打っていると、すぐに乾燥してしまいますし、急ぐと繋がりが悪くてすぐ切れてしまったり、ミスに繋がってしまったりと。蕎麦打ちを通じて、蕎麦打ちの難しさを学びながら、自分自身の人間性の成長にも繋がりましたし、難しさをしっているからこそ、お蕎麦屋さんへのリスペクトと感謝の念も増えて、今の活動に繋がっていると思っています。

──お蕎麦に関して、音楽以外での取り組みもされていらっしゃいますでしょうか?

はい、江戸ソバリエの認定をいただいてからは、蕎麦仲間たちと川越で蕎麦畑の活動もしています。種まきから始めて、収穫をして、蕎麦打ちして、みんなで美味しくお蕎麦を愉しむ会です。そうした、生産面にも携わることで、ますます食べ物、そしてお蕎麦への感謝が芽生えるようになってきていますね。

──最後になりますが、今後のゆさそばさんの展望があれば教えて頂けますでしょうか。

今やっている活動については、これからも継続していきたいと思っています。なによりも、お蕎麦屋さんの皆さまを、音楽を通じて応援していきたいです。

お蕎麦屋さんへのリスペクトの面も勿論ありますし、本当に私の人生が、お蕎麦を通じて変わったんですよね。こうして蕎麦屋de上機嫌さんとも繋がり、インタビューも受けている様に、お蕎麦を通じて本当に多くの方々と出会えました。ただただバイオリンを弾いてるだけでは、今のような環境に自分がいることもないですよね。お蕎麦を通じて、私の事に興味を持っていただき、そして、演奏も聴いていただけるようになりました。本当にお蕎麦には感謝しきれないですね。

最近は、hydeさんが私のことをtwitterでリツイートしてくれたりと、本当に信じられないコトがおきていて、お蕎麦を通じたご縁に感謝しかないです!

また、今後は活動の幅を海外にも広めていきたいと企てています。日本の誇れる蕎麦文化を、海外にどんどん発信し、知ってもらえるようにしていきたいという想いが最近はさらに強くなってきていますね。 これからも、是非、活動を応援してもらえると嬉しいです!

<ゆささんにとっての“そば色”は?>

【“虹色”です。】

ゆさそばの音源で、『ソバイロサンシャイン』という曲があるのですが、ジャケットが虹色の蕎麦になっているんです。L’Arc〜en〜Cielも虹色という意味です。本当に蕎麦に出会えたことで、様々な人との新しい出会い、そして可能性に出会えています。なので、虹色です!

ゆささんのSNS

Twitter : @yusa_vn

Instagram : @yusa_soba

HP : https://yusasoba.com

YouTube : ゆさそば(YUSASOBA)

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蕎麦屋 de 上機嫌

蕎麦屋 de 上機嫌

蕎麦酒タニスタ兼インスタグラマー

幼少期と学生時代、そして仕事でシンガポール、インド、ミャンマーと渡り歩いた末に帰国。お蕎麦屋さんでいただく“一杯”の魅力に取りつかれ、現在は全国のお蕎麦屋さん巡りをライフワークにする蕎麦屋酒ニスタ。 普段はIT系上場企業にてDXな事業に従事する傍ら、日々、蕎麦屋酒の魅力をSNSを通じて発信中                          InstagramID:sobaya.de.jyokigen

  1. 自分自身が真に納得する拘りでお客様に喜んでもらいたい

  2. 人に喜んでもらえる“蕎麦打ち”の魅力と感動を多くの人に広めたい

  3. 夫婦二人三脚で理想のお酒を愉しむお蕎麦屋さん創り

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